雨がくる 虹が立つ

ひねもすのたりのたり哉

特別展「皇室ゆかりの美術 ─宮殿を彩った日本画家─」行ってきた

山種美術館

 

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思えば今回ほど山種美術館にふさわしい展覧会もないのでは?

初代館長・山﨑種二が横山大観から「ここらで人のためになることを始めてみてはどうか」と言われて美術館を設立する決意をしたというのは有名なエピソード。

その種二は皇居宮殿を飾った作品を目にする機会を得て「皇室などに納められているような優れた美術を、広く国民が目にすることができるようにならないものだろうか……」という願いを持っていたという。

それを受けて今回の展覧会タイトルを振り返ってほしい。

まさに私たち一般の人が気軽に観ることができる「やんごとなき美術品」。本展は、そんな思いをダイレクトに反映した展覧会となっていた。

※美術館の許可を得て撮影しています。

 

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憎悪にかられた人間が【テクノ法要】に行ったときの話

東京国立博物館

 

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最近、生きるのが嫌になることが立て続けに起こった時に丁度テクノ法要に行く機会があったのだけれど、これは一体何と表現したらいいのだろう?

救われるとも、仏を信じるとも違う、とても不思議な気持ちになったので、記録としてその時のことを残しておく。

 (注:いつものように長いうえに、自分の話が多いエントリです)

  • 釈迦は鬼を救えるか
  • そしてテクノ法要へ
  • 宗派の壁を超える

 

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「フィリップス・コレクション展」に行ってきた。もはやここに住みたい。

三菱一号館美術館(※写真は美術館の許可を得て撮影しています)

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「フィリップス・コレクション展に行ったよー」と言うと、そこそこ美術鑑賞が好きな人からは「前にも来てたよね?」という答えが返ってくる。

 そう、2011年にも国立新美術館「モダン・アート,アメリカン-珠玉のフィリップス・コレクション-」が開催されていました。

  •  さて、フィリップス・コレクション
  • ちなみに「フィリップス・コレクション」とは
  • 印象派も良いけど、ブラックが最高すぎた
  • この部屋に住みたい
  • ダンカン・フィリップスになれてしまうミュージアムショップ
  • 概要

 

 さて、フィリップス・コレクション

前述の「前にも来てたよね?」という人には、「来てたけど、前回とは全く趣が違うから行ってみて!」と勧めている。

2011年に開催された展覧会は、ダンカン・フィリップスが蒐集した作品からアメリカ絵画の変遷を読み解いていくキュレーション。
しかし今回は、彼が蒐集した作品から「ダンカン・フィリップスその人を読み解いていくキュレーション」となっているのだ。

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「北斎の橋 すみだの橋」を観に行った

すみだ北斎美術館

 

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フォトスポットは葛飾北斎の「諸国名橋奇覧 飛越の堺つりはし」

 

すみだ北斎美術館はその名の通り、葛飾北斎をフィーチャーした美術館です。

2016年11月に開館したので、もうすぐ2周年妹島和世による建築が目を引きますが、墨田区のコレクションに加え、ピーター・モース・コレクションや楢崎宗重といった浮世絵研究者たちが形成したコレクションを擁する、充実度の高い所蔵品も魅力となっています

長らく行方不明になっていた7メートル超の肉筆画隅田川両岸景色図巻》が約100年ぶりに公開されたことも記憶に新しいですね。
※記事中の写真は、美術館の許可を得て撮影しています。

 

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上野・不忍池へ蓮を見に行った

この季節に蓮を見に行くのが、ここ何年かの自分の恒例行事となっています。

 

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早朝に出かけ、まだ夜の名残が残っている上野恩賜公園不忍池で、咲き始める蓮をぼんやりと見る夏の楽しみ。

 

去年は友人と自転車で出かけたのだけれど、今年は暑すぎるのと雨の予報が出ていたため、電車で。少し初動が遅れてしまったのだけれど、かなり良い状態で鑑賞することができました。

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不気味な既視感に陶酔する:冨安由真展 「くりかえしみるゆめ」 (資生堂ギャラリー)

最近はめっきりご無沙汰しているけれど、私は時折、不思議な体験をすることがある。

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その時はとくに気づかなくても、あとになって「あれはオカルトな体験だったのでは?」と思うようなことが、振り返ると何度かあったりする。

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