雨がくる 虹が立つ

ひねもすのたりのたり哉

観たもの

「ヴァロットンー黒と白」を体験した話

《〈アンティミテ〉板木破棄証明のための刷り》 1898年 木版 三菱一号館美術館で、「ヴァロットン─黒と白」が開催されている。もう開幕してひと月以上経っているので、すでに訪れた人による感想もそれなりに上がっている。 かくいう私も、以前、美術展ナビに…

2021年を振りかえる

エントリではほぼ触れていませんが、今年もトーハクの総合文化展には楽しませてもらいました 残念ながら2021年も、新型コロナウイルスの影響を受けた年になってしまった。 普段、美術業界の末席で仕事をしているため、特に前半は散々な目に遭ったなァという…

ホテルニューアカオの最後を見に行った

※これを書いた時点では、ホテルニューアカオ館が今後も活用されるとは発表されていなかったため、このようなエントリになっております。現在ホテルニューアカオ館は、アートイベント等で使われています。宿泊営業は終了しています。 先日Twitterで、熱海の「…

「コンスタブル展」で雲を眺めた話

先ほどiPhoneの写真フォルダを遡ったところ、雲を写した写真がたくさん収められていることに気がついた。 フィルムの時代から空を被写体にした写真を多く撮ってきたが、携帯電話にカメラ機能が付いてからというもの、その頻度は比較にならないほど増えた。 …

「冨安由真展/漂白する幻影」で亡霊を体験した

2021年1月に開催された「冨安由真展/漂白する幻影」の感想

2020年に観た展覧会を振り返る

あけましておめでとうございます。 昨年内に振り返るつもりでいたけれど、なんとなくうまくまとめられず、年が明けてしまいました。 《松崎天神縁起絵巻》(模本)前田氏実 模 東京国立博物館蔵 これくらい元気に生きたい

3つの声と100年を旅する:トライアローグ展 行ってきた(横浜美術館)

横浜美術館で11月14日から始まった「トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」。 新型コロナウイルスによって諸々今までとは異なる仕組みにせざるを得なくなっている現在、美術界も然りであり、海外との作品の…

ホテルニューグランドに宿泊し、横浜を観光した話(後)

▲前回のブログには上げ忘れてしまったが、メインロビーはこんな感じ。 これ↓の続き。 nijihajimete.hatenablog.com 朝。のろのろと起き上がり、備え付けのポットでお湯を沸かし、ほうじ茶を飲みながら朝ドラ鑑賞。最近見逃すことが多かったのだが、登場人物…

鴻池朋子 「ちゅうがえり」を観た

鴻池朋子の「ちゅうがえり」を見に行った。すごかった。精神が身体から離れてしまうんじゃないかと思うくらい怖かった。

夏目漱石に愛された画家の話 (津田青楓展)

練馬区立美術館で開催されていた「生誕140年記念 背く画家 津田青楓とあゆむ明治・大正・昭和」が閉幕した。もっと早くにブログを書くべきだった。とても良い展覧会だったから。 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、途中から土曜日曜の開館を「自粛」さ…

ゴッホ展へ行き、この人 生きづらかったろうなあとしみじみ思った話

仕事の帰りにゴッホ展へ行った。 いつ上野へ行っても行列を成していた「ゴッホ展」(上野の森美術館)。 「空いてる日に行こう」と様子を見ていたら、あっという間に会期終了目前となってしまった。日中死に物狂いになって仕事を終わらせ上野へ向かうと、そ…

2020年の幕開け・そしてスターウォーズの完結(ep9 ややネタバレあり)

あけましておめでとうございます。 2020年になりました。 ひとつ前のエントリにも書いたけれど、2019年は悪い意味で忙しく、ストレスで心がひどく荒んだ所為もあって、日々のことを全く記憶(記録も)できていませんでした。身体の不調も目立ってきたので、…

2019年に観た展覧会ベスト10

2019年は本当に忙しく、激動とか多忙とかそういう忙しさではなくて、もう「心を亡くす」系の忙しさでした。仕事というか、環境が辛かった。プライベートの記憶が2018年とごっちゃになっている。 ──で、去年はどういう出だしでベスト10のエントリを書いたっけ…

単眼鏡の恐ろしさを東博とルーベンス展で実感した

ひとつ前のブログにも書いたのだけれど、昨年狩野芳崖の作品を観て猛烈に単眼鏡の必要性を感じ、本格的に購入を考えるようになった。 ちょうどその頃、アートブログ「青い日記帳」のTakさんがケンコー・トキナーの単眼鏡「ギャラリーEYE」の記事を書いており…

2018年に観た展覧会ベスト10

年末盛大に風邪をひいて予定が後手後手になってしまい、ただでさえ書くのが遅いブログの準備を全くできていなかったために年を跨いでしまいました。 今年はもう本当にいろいろあって忙しくて、なんか2018年と2017年の記憶がごっちゃになってしまって「2018年…

「フィリップス・コレクション展」に行ってきた。もはやここに住みたい。

@三菱一号館美術館(※写真は美術館の許可を得て撮影しています) 「フィリップス・コレクション展に行ったよー」と言うと、そこそこ美術鑑賞が好きな人からは「前にも来てたよね?」という答えが返ってくる。 そう、2011年にも国立新美術館で「モダン・アー…

岐阜・愛知・京都の旅① 山口晃さんの天井画を観てきた

@高光山 清安寺 「長沢芦雪展」に行きたい。 なぜならば、Tiger & Bunnyで主人公・鏑木虎徹ことワイルドタイガーを演じた平田広明さんが音声ガイドを担当しているから。 芦雪といえば虎。《虎図襖》の解説をするワイルドタイガーの声は何が何でも聴かねばな…

「タイ ~仏の国の輝き~」展行ってきた

@東京国立博物館 ※写真は博物館の許可を得て撮影しています。 微笑みの国、タイ。 タイにはいろんなお寺がありますよね。小皿のようなものをたくさん張り付けたお寺だったり、金ピカのお寺だったり、巨大な仏がいたり、日本の寺院とはまた違う魅力にあふれ…

『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』 先行上映イベント行ってきた

@原美術館 2017年8月5日より、オラファー・エリアソンのドキュメンタリー映画『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』が全国で上映されます。その先行上映イベントに行ってきたので、ネタバレしない程度に感想を書こうと思います。 [caption id="attachment_…

奇想建築探訪(築地本願寺)とKING OF PRISM鑑賞 

少し前、twitterにて「今月号(7月号)のサライが面白い」というツイートがちらほらタイムラインにのぼっており、気になってサイトを見たところ納得。奇想建築大特集というではないか。 [caption id="attachment_1986" align="aligncenter" width="410"] 表…

「メットガラ ドレスを纏った美術館」観てきた  

初めて「メットガラ」という言葉を聞いた時、「人の名前かな?」とか「いかついヘルメットみたいな怪獣的な何かかな?」と思ったくらいこういう話題には疎い私ですが、そんな私が観ても興奮するほど面白かったこの映画。

かぐや姫の物語 観てきた

蝶めづる姫君の住みたまふかきたはらに、按察使の大納言の御むすめ、心にくくなべてならぬさまに、親たちかしづきたまふこと限りなし。 この姫君ののたまふこと、「人々の、花、蝶やとめづるこそ、はかなくあやしけれ。人は、まことあり、本地たづねたるこ…