雨がくる 虹が立つ

ひねもすのたりのたり哉

「刀剣乱舞 本丸博」行ってきた

@池袋サンシャインシティ 刀剣乱舞-本丸博-

日夜玉集めに勤しんでおられる審神者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。 刀剣乱舞二周年を記念した「本丸博」がいよいよ1月6日(金)より開幕します。

一足早く内覧会に行ってきました。既にチケットを獲得された方、予定の調整をされている方、残念ながら都合が合わなくて行けそうにない方、そういった方々の少しでも参考になればと記事を書こうと思いますが、ネタバレを多分に含みますので、「まっさらな気持ちで観に行きたい!」という方はこの先要注意です。 (※撮影は主催の許可を得て行っています)

もしかしたら「刀剣乱舞?あー、最近徳川ミュージアムをはじめとする美術館・博物館で何かと目にするなんかゲームみたいなやつ?」というアートクラスタの方も読まれるかもしれないので、簡単に「刀剣乱舞とはなんぞや」について書いておきたいと思います。

“『刀剣乱舞』(とうけんらんぶ)は、DMMゲームズとニトロプラスが共同製作したPC版ブラウザゲーム。2016年3月1日にスマートフォン版(iOSAndroid)が『刀剣乱舞 Pocket』(とうけんらんぶぽけっと)として配信された。名刀を擬人化した「刀剣男士」を収集・強化し、合戦場の敵を討伐していく刀剣育成シミュレーション。正式名称は「刀剣乱舞-ONLINE-」(とうけんらんぶオンライン)、公式略称は「とうらぶ」”―Wikipediaより

われわれプレイヤーは審神者(さにわ)」という役どころとなり、様々なタイプのイケメン男子に擬人化された刀を集め歴史修正主義者」と呼ばれる歴史改変を目論む敵を倒して、今ある歴史を守るために戦う……というのが大まかなストーリーです。

ゲームに出てくる刀剣は現存するものから文献にのみ残っているもの、また、実在しないものなど多岐にわたります。これが結構しっかり設定されていて、ゲーム内の画面はこうなっているんですけど↓

[caption id="attachment_1710" align="aligncenter" width="461"]例:厚藤四郎の場合 ※下段は現在東京国立博物館に展示中の国宝・厚藤四郎 例:厚藤四郎の場合
※下段は現在東京国立博物館に展示中の国宝・厚藤四郎[/caption]

刀派や特徴なんかも分かりやすく嚙み砕いて書かれております(中にはやや脚色されているものも有り)。皆さんがご存知の某美術館の学芸員さん方も、実は審神者だったりしますのよ……。

ゲーム自体の面白さもさることながら、歴代の所有者たちとのぐっとくるエピソードを各人持っていたりもして、ゲームを進めるうちに刀剣たちが我が子のように可愛くて仕方なくなってくるのも特徴と言えます。

―――が、個人的には前述のように、今なお現存する刀があるというのがこのゲームの最大の魅力であるような気がします。上の写真の国宝・厚藤四郎は現在東京国立博物館の常設に展示されていますが、メインビジュアルにも起用されている天下五剣のひとつ三日月宗近東博所蔵ですし、徳川ミュージアムには燭台切光忠、現在開催中の江戸東京博物館「戦国時代展」には五虎退髭切などなど、「二次元が三次元に⁉」をリアルに楽しめてしまうのは強いですよね……。それに現物を観に行くうちに「あれ?美術館って結構面白いかも……?」的な発見もあったりして、まさにめくるめく芋づる式の沼が待っている楽しみがあるわけです。

そんな感じで各方面に空前絶後の旋風を巻き起こした「刀剣乱舞」がリリースされて二周年。 今やゲームのみならずミュージカルに舞台、アニメなど多方面のメディアに展開されるまでとなりました。 プレイヤーこと審神者の本拠地・本丸をタイトルに掲げ、その刀剣乱舞の軌跡を辿るというのが本展のテーマとなっています。

 

 

それでは展示風景を見ていきましょう。

 

展示構成は以下の通り。

map

 

まず入口。 入口

幔幕?暖簾?の向こうには可愛い粟田口たちが待っているような気がしますね。この日はマスコットキャラクターの「こんのすけ」が遊びに来ていました。

幕をくぐると<歓迎の間>へ。こちらでは2分間の映像を見ることができるのですが、おなじみのオープニングに、早くもあのキャラクターが実装されていたような……??ぜひ皆さんの目で確かめてみてください。

 

さあ盛り上がってきたぞ!と思ったところで<金襖の間>が開かれます。

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ここがね、すごかった!ほんとに豪華!!そんで広い!!! 狩野派とか琳派っぽい花鳥画を背景に、刀剣男子が勢ぞろい。右手から春夏秋冬四季折々、歌仙兼定が喜びそうな雅やかな襖絵が展開しています。 三条

こてつ さもんじ

だいたい刀派ごとにまとまってるのかな?という感じでした。

また、江戸時代から続く老舗・香雅堂とのコラボレーション空間にもなっており、日本の四季とそこに佇む刀剣男子をイメージしたオリジナルの香りが漂う仕掛けが成されていましたよ~。(香雅堂ホームページはこちら)

[caption id="attachment_1706" align="aligncenter" width="288"]季節ごとにセットされたお香 季節ごとにセットされたお香[/caption]

皆さんの推しはどの季節に居りましたでしょうか?

 

あれくらい資金が潤沢な本丸を運営したいもんだよなァ……なんて思いながら長い廊下を渡っていきますと、三日月宗近の間>に出ます。

こちらには国宝・三日月宗近の復元された姿が展示されているのですが、「三日月宗近東博に本物があるじゃん」なんて言ってはいけません。 というのも、皆さまご存知の通り、東博三日月宗近は1000歳を超えるおじいちゃんなわけですよ。長い歴史の中で研がれ続けてきたので、刃が細く短くなっちゃってるわけです。 そしてこれも皆さまご存知の通り、日本刀には「写し」という文化がありますよね?山姥切国広くんはそれがコンプレックスみたいですけど、古来より刀鍛冶たちは、名刀を手本に自分なりの刀を作り上げることで技術を吸収してきたわけです。これは絵画等様々な芸術に通じる文化でもあります。 三日月宗近の間

実はこの展示、三日月宗近 生ぶ復元プロジェクト」と言って、刀剣乱舞の原作プロデューサーでもあるニトロプラスの小坂社長に端を発した、三日月宗近が打ち下ろされた当初の姿を見てみようという試みなのです。このプロジェクトには佐野美術館の渡邉館長による協力もあったそうですよ。

ちなみに三日月宗近は国宝であり容易に手に取ることができないこと、そして再現するための情報が少なすぎることから、完全な写しを行うことは難しいのだそうです。それでも同じ宗近の銘のある刀や、入手可能な資料を総ざらいし、独特な波紋の再現に尽力した刀鍛冶・石田四郎國壽さん(ヱヴァンゲリヲンと日本刀展にも出品)の打った刀はとても美しい。 なにより三日月宗近を復元していく過程において、生みの親でもある「宗近」という人物に触れるような体験をされたというのは非常に貴重なことであると言えます。

そのエピソードも展示会場にパネルとして掲載されていますので、ぜひ読んでみてください。マジで熱いから!そして石田さん、自分と年がそれほど変わらないことに驚愕……えらい違いだ……すごい……。

 

さて、テンションがさらに上がったところで、<演戯の間>へと移ります。

こちらは2015年に初めて上演され、つい先日(というか昨年)厳島神社世界遺産登録20周年記念奉納行事として、なんとあの国宝の高舞台でも上演されたミュージカル、そして2016年に初めて上演されて以来話題を呼んで、昨年末から再演も始まった舞台の紹介。 チケット争奪戦に奮闘された方も多いでしょう。各刀剣男子に扮した俳優さんの写真と、舞台の様子が映像とパネルで紹介されていました。

[caption id="attachment_1729" align="aligncenter" width="624"]厳島神社でも上演されたミュージカルの紹介 厳島神社でも上演されたミュージカルの紹介[/caption]

 

[caption id="attachment_1730" align="aligncenter" width="624"]祝再演!舞台の紹介 祝再演!舞台の紹介[/caption]

続くは<アニメの間>。 惜しくも昨年12月に最終回を迎えた心の清涼剤刀剣乱舞 花丸」と、2017年7月より放送が決定している「活撃 刀剣乱舞の紹介です。

花丸の方は絵コンテや美術設定が展示されており、キャラ設定や本丸の間取り等の資料を見ることができました。また、撮影コーナーも設けられており、加州清光・大和守安定と一緒にあの縁側で写真を撮ることができますよー‼(なんと“あの人が抱えていた野菜”や“あの子の枕”に触れることもできるぞ……!)

[caption id="attachment_1726" align="aligncenter" width="624"]フォトスポット。縁側に座れます。 フォトスポット。縁側に座れます。[/caption]

せってい

設定資料

活撃の方はまだまだ謎に包まれておりますが、陸奥守吉行和泉守兼定のパネル、コンテがありました。鋭意製作中なんだと思いますが、こっちは花丸と違ってシリアスな展開になりそうですね……。どうか破壊されないでおくれ……。 活劇 次に<グッズの間>へと進みます。こちらは今まで販売されたグッズが一堂に会した物欲の間です。 とうらぶね、ホントたくさんグッズがあるんですが、個人的にはこういう「パっと見オタク向けってわからないグッズ」の展開が素晴らしいと思うんですわ。鶴丸のご祝儀袋とかも良かったですよね。普通の人はわかんないけど、もらった人がとうらぶやってたら「お!」って思う、暗号みたいなもの。そういう粋な計らいがとうらぶは上手いですよね。

グッズ2 もちろんガチなやつも良し。 グッズ

 

さて盛りだくさんの本丸も、最後の間になりました。

<祝画の間>と称されたここは、刀剣乱舞の参加イラストレーターたちによる書下ろしイラスト40点以上が展示されています。 どんなイラストがあるかは行ってからのお楽しみ。一言で言えば豪華絢爛。ラストを飾るにふさわしい、まさに眼福でございました。

 

ここで展示は終了となりますが、気になるのが本展のオリジナルグッズだと思います。

商品や個数制限等詳しくはホームページにも記載されていますが、なるべく多くの人が手に取れるよう、品数を揃える心掛けをされているとのことです。なので、初日に全部売れちゃったから次の入荷はわかりません、なんてことを翌日一番に言われることはありません。けれど商品によっては、その日の遅い時間には捌けてしまっている可能性が無きにしも非ず。その点はご了承くださいとのことでした。

[caption id="attachment_1719" align="aligncenter" width="421"]左文字マトリョーシカのかわいさと言ったら……! 左文字マトリョーシカのかわいさと言ったら……![/caption]

 

またチケットですが、当日券は前売りの数に準じます。つまり1日の定員は決まっていて、その数に前売り券が達してしまうと、当日券は出ないという仕組みになっています(時間制のため)。ですから、ここだ!と決めたらチケットは確保してしまいましょう。あとで買えばいいかな~と思っていると、次の瞬間には完売ということもあり得ますので気をつけて。

 

自らの審神者の歴史を展示とともに振り返るも良し、刀剣たちの華麗な姿に明日への活力を見出すも良し。たかがゲーム、されどゲーム。これは立派な文化だと私は思います。

そんなわけで津々浦々の審神者の皆様、本丸博へぜひ出陣を♡ こんのすけ

 

刀剣乱舞 本丸博 (公式ホームページ)

会場:池袋サンシャインシティ展示ホールB(物販会場は展示ホールA) 会期:2017年1月6日(金)~1月15日(日) 時間:10:00~19:00 ※物販会場は20:00閉場

 

おまけ: ●ラリーも開催中 サンシャインシティに点在する61振りの刀剣男子を探すと、探した数に応じてクリアファイルが貰えます。 らりー

SKY-CIRCUSサンシャイン60展望台×刀剣乱舞―ONLINE― ぽてだん! 本丸博開催中、SKY-CIRCUSサンシャイン60展望台では、とうらぶのデフォルメシリーズ『ぽてだん!』とコラボレーションし、ノベルティ付入場チケット(数量限定)の販売や、展望台を活かしたフォトスポット、パネル展示などが実施されます。

さらに本丸博の入場券提示で展望台の入場料金が割引になるそうですよ~!詳しくはこちら★