雨がくる 虹が立つ

ひねもすのたりのたり哉

TIGER & BUNNYについて

 TIGER & BUNNYをご存知でしょうか。

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 2011年の4月から9月まで放映された、サンライズによるアニメです。

「NEXT」と呼ばれる特殊能力を持った人々がヒーローとして活躍し、シュテルンビルトという街で起こる様々な犯罪に立ち向かう物語。
 ヒーロー達は会社に所属する謂わばサラリーマン。子持ちやもめもいれば、復讐を胸に秘めた優等生美青年、大企業のオーナー、さらには女子高生もいる。
 ショーアップされた人気捕物帳テレビ番組「HERO TV」の華やかな世界で活躍するヒーローたちにも個々の悩みがあり、その悩みや想いを抱えたまま、彼らの運命は巨大な敵と対峙する────という物語です。

 事前公募した実在する企業をプレイスメントに迎え、ヒーローたちは劇中で企業ロゴの入ったヒーロースーツを着用して活動します。
 Ustreamでも放送され、Twitterと連動。視聴者はヒーローたちの活躍に歓声やツッコミを入れながら、まるでHERO TVを見ているシュテルンビルト市民になったような気持ちで番組を楽しみました。

 私は桂正和さんがキャラクター原案・ヒーローデザインを担当されるということで見ようと思ったのがきっかけですが、ほんと、この作品と出会えてよかったなあとつくづく思います。

 本当に、どれだけこの作品に助けられたことか。
 丁度震災が起きた1カ月後に、この番組は始まりました。
 人間関係に波乱があったりこの先が見えなかったり、余震も続くし家も壊れそうだし(何度修繕を繰り返したことか)、大好きだった文鳥ももういないしで、遣る瀬ないことが多くて心身ともにボロボロだったとき、タイバニが一番の支えだった。
 いい年してアニメに支えられるとか、と嗤われるかもしれないけれど、ボロボロの状態の中で「来週が楽しみになる」というのはとてもすごいことだと思うのです。

 そう言った意味で、この作品自体が私にとってのヒーローでした。

 もともとヒーローものや特撮が好きだったというのもあるけれど、「悪と戦う」ということだけで物語が進むのではなく「個々の性格と悩み・人間関係」が並行して描かれているところがこの作品の魅力なのだと思います。

 主人公の鏑木・T・虎徹はどちらかというと年齢的に自分と近いので、年若い相棒を持つこと、会社でやりにくいと思うこと、もう若くはないのだと自虐ではなくシビアに思い知らされること、家族の悩みなど、感情移入することが多々ありました。

 観に行った展覧会や読んだ本、旅した場所のログに加えて、いつかこの作品についてどこかに感想を書いておきたいなと思ったのが、このブログを始めたきっかけでもあります。

 テレビシリーズ1期は既に2年前に終了していますが、劇場版が昨年、そして劇場版新作が来年に控えており、まだまだ先が楽しみな作品です。