雨がくる 虹が立つ

ひねもすのたりのたり哉

戸定邸に行った

f:id:nijihajimete:20210207193204j:plain

大川原梅園

 家から40分ほど自転車で走ったところに「大川原梅園&ハーブガーデン」という施設がある。

 その名の通り細い道を挟んで梅園とハーブガーデンがあり、ハーブガーデンではハーブを買うことができ、カフェも併設されている。

 毎年2月の下旬になるとここの梅が見ごろになるので通っていた。カフェに入れそうならケーキとお茶を楽しみ、カフェが混んでいればハーブの入ったクッキーを買って帰った。

 今年はあとどれくらいで咲くかしら? そう思いながら様子を見に行ったところ、2021年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、梅園の開放は無しとのこと。カフェも3月末まではクローズで、テイクアウトのみやっているそうな。

 残念。でもまあ、仕方ないよな。厚意で開けてくれている場所だし、来年は無事に花見ができることを祈ろう。梅の様子は道路から見えるので観察したところ、駐車場にある紅白梅は白梅のみ7分、梅園の梅はまだ蕾でした。 


 そんなわけでそこから2.5キロほど離れたところにある戸定邸(とじょうてい)」に行ってみることにした。以前「青い日記帳」のTakさんがツイートされているのを見て、いつか行きたいと思っていたのだ。

f:id:nijihajimete:20210207211408j:plain

▲戸定が丘歴史公園は小高い場所にある

 水戸藩最後の藩主・徳川昭武徳川慶喜の弟)によって1884年に建てられた戸定邸は、明治時代の徳川家の住まいがほぼ完全に残る唯一の建物となっている。9棟が廊下で結ばれ、部屋数は23。徳川が持っていた7万平方メートル超えの敷地の3分の1を現在「戸定が丘歴史公園」として整備し開放しており、敷地内には戸定邸のほかに戸定歴史館松雲亭書院造りの庭園東屋庭園などがある。

www.city.matsudo.chiba.jp

 公園に着いたのが最終入館の1時間前になってしまったので、とりあえず今日は戸定邸のみ拝見。庭園や歴史館はまた次回ゆっくり観て回ることにする。戸定邸のみであれば入館料は250円、歴史館とのセット券でも320円とリーズナブル。コロナ禍なもんで、入り口で手指の消毒と検温、そして入館カードの記入をした。

 入ってすぐに案内図があるのだが、RPG攻略本のダンジョンマップで見たような図である。さすが9棟23室は伊達じゃない。

f:id:nijihajimete:20210207211837j:plain

▲このうち台所棟は非公開となっているようだった

f:id:nijihajimete:20210207212018j:plain

▲入ってすぐにある徳川のお宝的なもの

 最初の「客間」、「二ノ間」の広さに心の中で感嘆の声を上げる。欄間の意匠などはそれほど派手じゃないし、徳川といえど葵の紋が多用されているわけではないようだが、ガラスが一面に張ってあって開放感がはんぱなく、セレブリティのお宅という感じ。

f:id:nijihajimete:20210207212236j:plain


 眼下には住宅街や常磐線が見えたりしてるけれど、その向こうには江戸川が見える。川の向こうは水元公園のあたりなので、ちょうど千葉と埼玉と東京の境目になる。昔はさぞ眺めがよかったろうな。

f:id:nijihajimete:20210207212625j:plain

 
 しかしですね、こういう景色を見ていると、なんというか、なんというか……刀剣乱舞の「本丸」ってこんな感じかしら⁉ と思ってしまうのだ。私、かなりさぼり気味ではあるものの審神者をやっておるのですが、「ここを私の本丸にしたい」という気持ちになりました。なんといっても部屋数が多いのがいいのよね。それぞれの部屋っぽい妄想ができるからね。
 そんなわけで、ぜひ審神者の皆さまには訪れていただきたく。

f:id:nijihajimete:20210207212726j:plain



 さて、邸宅の中は迷路のようで、細い廊下を進むとその間にいくつもの部屋が現れる。23も部屋があるので見落としがあるんじゃないかと思うほど。

f:id:nijihajimete:20210207212811j:plain
f:id:nijihajimete:20210207212847j:plain


 個人的に水場が好きなので、風呂やら洗い場に見入ってしまう。

f:id:nijihajimete:20210207212914j:plain
f:id:nijihajimete:20210207212926j:plain


 神楽坂にある「工芸青花」の入った「一水寮」もそうだけれど、古い建物の、よく手入れされていい具合に薄暗い蛇口のあたりを見ていると気持ちがとても落ち着くのだ。
 現在台所棟は公開されていないようで残念だった。いつか見ることができるかしら。

f:id:nijihajimete:20210207213022j:plain


 離れの座敷棟には圓窓があり、隙間から乙女椿だろうか、可愛らしい花が見えた。

f:id:nijihajimete:20210207213048j:plain


 ここも中庭に面して大きなガラスがずらりと張られていて、室内がとても明るい。戸定邸は昔の建物にしてはガラスがふんだんに使われている。よく見ると綺麗な平面ではなく、それぞれすこし歪んだ面をしている。

f:id:nijihajimete:20210207213149j:plain

 変わったガラスだなあと思っていたら、このようなリプライをいただいた。なんと手作り! そりゃ豪勢だわ。さすが徳川家。

 30分くらいで見終わるかと思っていたら1時間以上満喫してしまったが、絵になる角度が多すぎて3時間くらいいられる気がする。石元泰博さんもこういう気持ちで桂離宮にのぞんだのかしら……などと烏滸がましく思いつつ戸定邸を後にした。

f:id:nijihajimete:20210207214114j:plain
f:id:nijihajimete:20210207214129j:plain


 見事なソメイヨシノがあったので、春は混んじゃうかな? また近いうちにゆっくり訪れたいと思いました。

 

nijihajimete.hatenablog.com