雨がくる 虹が立つ

ひねもすのたりのたり哉

私的年度末に、渡良瀬遊水地へ行った

ひとつ年をとるので、その前の区切り(私的年度末)として、今の自分が気になっている場所へ行くことにした。
目下コロナ禍であり、高齢の家族と同居しているため、あまり遠出することはできない(とは言え毎日都内へ満員電車で通勤し、打ち合わせやったりなんだりしていることに比べたら遠出の方がリスクは少ないだろうけれど)。
そんなわけで、いくつか気になっている場所のうち、混まない電車に乗って行ける混まないところ──ということで、栃木県にある「渡良瀬遊水地」に白羽の矢が立った。

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「コンスタブル展」で雲を眺めた話

先ほどiPhoneの写真フォルダを遡ったところ、雲を写した写真がたくさん収められていることに気がついた。

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フィルムの時代から空を被写体にした写真を多く撮ってきたが、携帯電話にカメラ機能が付いてからというもの、その頻度は比較にならないほど増えた。

それくらい、空はモティーフとして身近なものになっている。

画面の4分の3を空が占める構図は今や珍しいものでないし、なんなら空のみで構成される作品もある(阪本トクロウさん最高ですよね)。
空を単独のモティーフとして描いた最初の人は、誰だったのだろう?

(※以下、会場の写真は許可を得て撮影。作家名のないものは全てコンスタブル作品です)

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戸定邸に行った

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大川原梅園

 家から40分ほど自転車で走ったところに「大川原梅園&ハーブガーデン」という施設がある。

 その名の通り細い道を挟んで梅園とハーブガーデンがあり、ハーブガーデンではハーブを買うことができ、カフェも併設されている。

 毎年2月の下旬になるとここの梅が見ごろになるので通っていた。カフェに入れそうならケーキとお茶を楽しみ、カフェが混んでいればハーブの入ったクッキーを買って帰った。

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「冨安由真展/漂白する幻影」で亡霊を体験した

 かつて2ちゃんねるにあった、廃墟に突撃するスレッドをご存じだろうか。

 はっきり言って違法行為なのだが(人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた場合、軽犯罪法違反となるそうです)、15年くらい前、そのスレッドを見るのにはまっていた時期がある。
 たいていは誰かが廃墟に突撃する旨をスレッドで告知し、仲間を募るか単独で侵入する。中を荒らしたり、物を壊したりするのは暗黙のルールでご法度となっており、写真を撮ってアップしながら只々掲示板に「実況」を書き込むスタイルである。

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2020年に観た展覧会を振り返る

あけましておめでとうございます。

昨年内に振り返るつもりでいたけれど、なんとなくうまくまとめられず、年が明けてしまいました。

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《松崎天神縁起絵巻》(模本)前田氏実 模 東京国立博物館蔵 これくらい元気に生きたい
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3つの声と100年を旅する:トライアローグ展 行ってきた(横浜美術館)

 

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 横浜美術館で11月14日から始まった「トライアローグ:横浜美術館愛知県美術館富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」

 新型コロナウイルスによって諸々今までとは異なる仕組みにせざるを得なくなっている現在、美術界も然りであり、海外との作品の貸借が難しくなっている中で「しっかりしたコレクションのある美術館」の強さが注目されている。

 まあ、いっぱい作品を持っていればあの手この手で展覧会を作ることができるという強みはあるけれど、そういう意味じゃなくて、「コレクションの方針」がしっかりしているとでも言うのかしら。そういうところは体幹が鍛えられているような感じがするのだ。柔軟であり、どっしりとしているというか。

 そんな体幹の鍛えられた3館が集まって、20世紀西洋美術について語り合うというのがこのトライアローグ展。一人語りでもなく、対話でもなく、鼎談。
 「3」という数字は昔から「文殊の知恵」だったり「頑丈な矢」だったり、はたまた「にぎやか(かしましい)」だったりと、とにかくミラクルなパワーを発揮するときに使われる。ならば展覧会ではどうかな? と期待して行ったところ、時に錦上添花、時にポケモンバトルといった具合の、それぞれの個性と推しを惜しみなく持ち寄った立体的で内容の濃い20世紀ができあがっていた。
(※本エントリの写真は美術館の許可を得て撮影したものです)

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