イスラエル博物館所蔵 「印象派・光の系譜」で光を見た話
コロナ禍になって、1年半ちょいが経とうとしている。
もともと変なところで潔癖なうえに、呼吸器と循環器を悪くした過去があることから、この1年半、それなりに高めの緊張感を途切れることなく持って生活してきた。
空がどんなに高くとも、風がどんなに暖かくとも、太陽がとても明るくとも、常にどんよりした膜に覆われているような、全体的に日々が灰色になったような、すっきりしない感覚が続いていたのだが──。
この日突然、陽が射した。
太陽の光は鮮烈で眩しく、思わずぐっと目を眇める。
これは、絵の中の話だ。
絵の中の太陽が、絵の中を照らしているだけ。
けれどその光は間違いなくこちらに届いており、私はその眩しさにたじろいだし、なんならそこに生じている暖かさも感じることができた。
そういう絵が、今、日本に来ている。
続きを読む京都へ旅したはなし1(市川屋珈琲、河井寛次郎記念館、山口晃展)
海に通うはなし
昨年に撮った写真を探すために Instagram を遡っていたら、この9か月の間に見たいろいろな景色が思い起こされた。
いろいろな、と言っても遠出した先で見たものではなく、ほぼ家と地元、そして都内の風景である。
目下コロナ禍真っ最中であるためメリハリもなく、例年以上に「パっとしないまま日々が高速で過ぎてゆく」わけだが、なかなかどうして悪くない風景を見ている。
そりゃこんな時世じゃなかったら、遠くに行ったり、みんなで食事を囲んだ写真もあっただろうけれど、並ぶ写真を見て「有限の中で無限を楽しむ」というのはこういうことなのかもしれないな、と思ったりした。
そんなわけで衝動的に半期を振り返りたくなったので、いくつかの写真を見て思い出してみようと思う。今年はちゃんとブログを書こうと誓っておきながら、ぜんぜん書いてなかったし。
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