2020年の幕開け・そしてスターウォーズの完結(ep9 ややネタバレあり)
あけましておめでとうございます。
2020年になりました。
ひとつ前のエントリにも書いたけれど、2019年は悪い意味で忙しく、ストレスで心がひどく荒んだ所為もあって、日々のことを全く記憶(記録も)できていませんでした。
身体の不調も目立ってきたので、こらあかんなと本気で心配になり、2020年はなんとか今の環境を打破しよう初もうでで誓ったところです。
もともと筆が遅いのに加え、そういうこともあってかブログを付ける気力が全然なかった2019年。2020年は毎日更新とはいかないまでも、去年よりはまめに日々のことを記録できたらと思います。以前Twitterにも書いたけれど、拙い文章であれ、自分のブログを読み返し、「ああ、この時はこんなことがあったのか」と振り返るのは楽しいしね。
※以下、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」のうっすらとしたネタバレがあります。
2019年に観た展覧会ベスト10
2019年は本当に忙しく、激動とか多忙とかそういう忙しさではなくて、もう「心を亡くす」系の忙しさでした。仕事というか、環境が辛かった。プライベートの記憶が2018年とごっちゃになっている。
──で、去年はどういう出だしでベスト10のエントリを書いたっけと振り返ったところ
今年はもう本当にいろいろあって忙しくて、なんか2018年と2017年の記憶がごっちゃになってしまって「2018年の展覧会ってなんだっけ……?」という……。
と書いており、同じじゃねーか! と声に出してツッコミを入れてしまった。来年はポジティブな出だしにするぞ! そのためには環境を変えないとね……。
そんなわけで、2019年。
業界は同じでも業種が変わったので、内覧等に行く機会はめっきり減りましたが、その分時間に縛られず、仕事を抜きにしてじっくり鑑賞することができました。
正直忙しくて記憶が吹っ飛んでいる月があるため、ベスト10という形をとるか迷いましたが、印象に残っている展覧会は追って備忘録メモを付けていこうと思います。
日帰りで尾瀬に行った話
10月の上旬、尾瀬に行った。
天気に恵まれたということが一番大きいが、あまりにも素晴らしい時間だったので、日記に残しておこうと思う。
今年は夏休みに仕事が入ってしまい、どこへも行かずに終わってしまった。
とは言え、日々「外に出たら蒸発するんじゃないか」というくらい暑かったし、どうせお盆は迎え火や送り火を焚いたりしなければならないので、元より出かける予定も立てていなかった。
それでもやはり、「夏休みにはちょっとした旅に出る」という刷り込みのようなものがあるので何処かへ行きたい。
ただし時間がないしお金も厳しいので、手軽に、そこそこ楽しめて、一泊とかそれくらいで行けるところで非日常的なところが良いな……などと都合の良いことを思っていた。そして思っていたまま台風が来たり消費税率改訂のために休みが取れなかったりで、季節はついに秋へと突入してしまった。
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「クリスチャン・ボルタンスキー ーLifetime」にて、かつてのことを鮮明に思い出した
「きかせて? 一瞬だった?」
そう尋ねられた瞬間、あの日のことを鮮明に思い出した。
白くかすんでいく意識の中で、「ああ、自分は死ぬのだ」と思った。その、なんと呆気ないことか。母が私の名前を叫んでいる。唇が真っ白になってしまったと悲鳴をあげている。そうなのか、今、私の唇は真っ白なのか。でもごめんね、もう目を開けることができない。本当に全く力が入らなくて、まるで強烈な睡魔に襲われたときのような──。
18歳のころ、交通事故に遭って死にかけた。
なんとか生還したものの、今も後遺症には度々悩まされている。
クリスチャン・ボルタンスキーの展覧会へ行った。
会場はいくつかの部屋に分かれて趣の異なる作品が展開されており、そのうちのひとつの部屋で、外套をまとった人型のオブジェから突然質問を投げかけられたのだ。
人型のオブジェは何体も立っており、他のオブジェのセリフを聞いて回るうちに、「ああ、これは死者への質問なのだな」と分かった。
その中で印象的だったのが、上記の「きかせて? 一瞬だった?」と、「お母さんを残してきたの?」、そして「教えて? 光は見えた?」だった。
そこで、あの日のことを思い出したのだ。
一瞬ではなかったなあ。でも、怖くはなかった。ただ人生というものは、突然、しかも呆気なく終わってしまうのだということにひどく拍子抜けした。
もしあのまま死んでいたら、母を残すことになっただろう。頭を強く打ち、血の気が引いていく私の顔や唇の色を見て、まるで紙のように白くなってしまったと悲鳴をあげていた母。意識が遠のいていく頭で、辛うじて「怖い思いをさせてごめんね」と謝った。光は見えなかった。……というか、眠りにつく感覚と本当にそっくりだった。眠すぎて眠すぎてたまらないときと同様、だんだんと意識を保つのが困難になるのだ。眠りを〈ちいさな死〉と呼ぶのは、言い得て妙だと後になって感心した。
そんなことを、《ぼた山》という作品の前でぼんやり思った。
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